2026年5月場所個別評価 藤ノ川

 今場所は東前頭筆頭であり、自己最高位で迎えたが7勝8敗で負け越した。初日は大関琴櫻を会心の相撲で破ると4日目は新関脇の琴勝峰を突き落とし、役力士と対戦した前半戦は4勝4敗で折り返した。ちなみに2日目の豊昇龍戦は不戦勝だった。しかし後半戦は白星が伸びず、14日目は宇良に突き落としで敗れて負け越しが決まった。東筆頭ということで勝ち越せば新三役が濃厚だったがお預けとなった。

 内容に関しては四つに組み止められて寄り切られる相撲が目立った。これまでは四つに組まれても廻しを切っての逆転勝ちが見られた。しかし相手が三役以上だとそうはいかなくなる。身動きが取れなくなり、逆転の隙を与えてくれなかった。若隆景戦では珍しく頭を付けられ、義ノ富士戦は廻しは取られなかったものの、左から抱えられて動きを止められた。一方勝った相撲はいずれも離れた内容であり、一つの答えが出たような気がする。やはり基本は押し相撲であり、機を見て自ら四つに組みに行く形が良さそうな気がする。増量とともに押し相撲に磨きをかけることが不可欠である。

 やはり理想は初日の琴櫻戦の相撲である。当たって二本のぞかせ、右を抜いた後右に引いて琴櫻を泳がせると突き上げてそのまま突き出した。また体が離れれば頭でぶちかますという選択肢もある。逆に組み止められたら勝ち目はないことを前提に相撲を取って欲しいところだ。

 来場所は再度の前頭筆頭が濃厚である。押し力を磨くとともに小兵なので戦略の見直しが必要である。あとは番付的に前半戦で役力士をどれだけ倒せるかがポイントになりそうだ。理想は白星先行で前半戦を折り返すことである。出足とスピードは持っており、三役に上がれる力は十分ある。次こそは勝ち越して新三役といきたい。