2026年5月場所個別評価 熱海富士

 今場所は静岡県出身としては天竜以来96年ぶりとなる新関脇誕生となったが9勝6敗で勝ち越した。連敗スタートとなったが前半戦は4勝4敗で折り返した。そして後半戦は10日目から連敗し、5勝6敗で黒星先行となった。しかしその後は連勝し、14日目は琴勝峰との新関脇対決を制して勝ち越しを決めた。

 内容に関しては鋭い出足からの四つ相撲と押し相撲で白星を挙げていた。琴勝峰戦は当たってすぐに左上手を取ると右ものぞかせ、琴勝峰の右下手投げにも対応して落ち着いて寄り切った。やはり左上手を取れば強く、スケールの大きさを含めて大関候補であるのは間違いない。

 一方で押し相撲の力士にはいなされたり懐に入られたりして負けた相撲もあった。そして四つ相撲の力士には当たってすぐに前廻しを取られるなど課題も出た。研究されており、上を目指すには更に厳しい相撲を取ることが不可欠である。できれば押し相撲が得意の力士相手でも四つに組み止められるようになりたい。

 あた関脇とはいえ看板力士が相次いで休場したので大関以上との対戦もなく、霧島戦も組まれなかった。そして12日目の藤青雲戦は当たってすぐに左前廻しを取られており、内容的には藤青雲が勝っていた。しかし同体取り直しとなり、取り直しの一番は地力の違いを見せて寄り切った。ということで新関脇での9勝だが、高く評価する訳にはいかない。来場所改めて真価が問われることになる。

 7月場所は二桁勝利を挙げ、大関昇進への起点を作りたい。また来場所は看板力士が復帰してくるが、完調で戻って来るとは思えない。よって付け入る隙は十分ある。体は動いており、大関を目指す前に初優勝するのも悪くない。