2026年5月場所個別評価 琴勝峰
今場所は新三役を関脇として迎えたが9勝6敗で勝ち越した。連敗スタートとなったが3日目は一山本を掬い投げで破り初白星を挙げた。その後5日目から5連勝して勢いに乗ると13日目は正代を押し出し、勝ち越しを決めた。また千秋楽は美ノ海に勝ち、星を伸ばして場所を終えた。
内容に関してはようやくといった感じだが前に出る相撲が取れるようになってきた。押し出しで2番、押し倒しで2番勝っており、相撲に力強さが出てきた。そして立ち合いもコンスタントに当たれていた。勝ち越しは当然の結果と言える。
特に良かったのが5日目の王鵬戦と9日目の若隆景戦である。王鵬戦は埼玉栄高校の同級生ということで先場所同様激しい相撲となった。突っ張り合いから王鵬に押し込まれたものの左へ回り込んで凌ぐと王鵬の左を手繰って右で結びめのあたりを掴み、出し投げで崩して送り出した。気迫の内容で白星をもぎ取った。またこの勝利がきっかけとなり5連勝した。若隆景戦は当たって突き起こした後若隆景に左へ回り込まれ、左上手を取られたものの右差し、左おっつけの形で構わず寄り切った。取組後は「とにかく中に入られないように。正面に置き続けたのが良かった」と語った。好調の若隆景相手に懐に入らせなかったという意味で素晴らしい内容だった。
一方惜しかったのが12日目の霧島戦である。霧島が両脇を固めて立ち、嫌った琴勝峰が左へいなしてから押し込んだ。しかし霧島に左を差されると慌てて前に出たところを叩かれて転がされた。ただ押し込んでおり、霧島の左差しを落ち着いて対処していれば、その後の展開は全く分からなかった。また上位力士との対戦が少なく、経験の浅さを露呈したともいえる。裏を返せばまだ相撲が完成されておらず、潜在能力を発揮しているとは言えない。よって今後の成長が非常に楽しみである。
来場所は看板力士が土俵に戻ってくるが、戻ったとしても勝ち越せる力は十分ある。あとは上位力士を倒し、二桁勝てるかが焦点となる。弟の琴栄峰も今場所は優勝争いを演じての二桁勝利ということで相乗効果も期待できる。試金石の場所となるが才能が開花してきており、更なる飛躍を求めたい。
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