2026年3月場所個別評価 藤青雲
今場所は西前頭13枚目であり、新入幕の場所だったが10勝5敗の好成績で初の敢闘賞を受賞した。初日は元大関の朝乃山を押し出して白星スタートとなり、7日目までは4勝3敗だった。そして8日目から連勝し、11日目に早々と勝ち越しを決めた。千秋楽は勝てば三賞受賞だったが獅司を送り出し、初三賞を決めた。
それでは藤青雲を紹介したい。藤青雲は熊本県熊本市西区出身で藤島部屋所属であり、年齢は28歳である。また身長185センチ、体重147キロであり、右四つ・寄りを得意としている。明大卒業後は実業団に進んだもののコロナ禍で試合ができなくなり、角界入りを決断した。その後十両昇進後に左膝に重傷を負い、三段目まで陥落しながら這い上がってきた苦労人である。
さて内容に関しては主に右四つに組み止める相撲で白星を挙げていた。やはり初日に朝乃山に勝った一番が大きかった。相撲は頭からぶちかました後朝乃山の出足を止めると相手の引きに乗じて一気に押し出した。以前から観ているが、これまでは引きに乗じて前に出る相撲など考えられなかった。得意の右四つに組むのが精一杯である。この厳しい内容に成長の跡が見えた。そして忘れてはいけないのが朝乃山に左前廻しも右差しも許さなかったことである。左半身になって遠ざけると同時に左から絞り、引かせる形に持ち込んだ。前さばきは元々上手いので、鋭く踏み込んだことが勝因である。取組後の「10番以上勝って敢闘賞を目指したいです」とのコメントに自信が表れている。そして有言実行で目標を達成した。また場所ごとに着実に力を付けており、その成果と言える。ただ最近の新入幕にしては番付が上だったので勝ち越すのが精一杯かと私は予想していた。よって想像以上に強くなっており、驚いている部分もある。
その一方で課題が出たのが5日目の金峰山戦である。当たった後モロ手で突き起こされるとそのまま一方的に押し出された。以前の負けパターンであり、コンスタントに立ち合いで踏み込めるようになりたい。
来場所は再度の自己最高位更新となるが、勝ち越しを期待したい。体が柔らかい上に技の引き出しも多いので、前に出る圧力が増せば役力士にとっては嫌な存在となりそうである。あとは幕内力士のスピードに慣れさえすれば上位力士を倒せるだけの能力を持っており、今後が楽しみである。
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