ラダーの申し子! 嘉陽 白熊の存在

 白熊は福島県須賀川市出身で二所ノ関部屋所属であり、年齢は25歳である。また身長186センチ、体重170キロであり、右四つ、寄りを得意としている。嘉陽とは中学、高校、大学、そして二所ノ関部屋の同期生であり、10年以上に渡って生活を共にしてきた。よって「兄弟のような存在」と語っていた。その後2024年6月1日に元関脇嘉風の中村親方が独立し、中村部屋を創設した。また嘉陽、白熊ともに中村親方の内弟子であり、中村部屋に転籍するものと見られていた。しかし嘉陽が転籍した一方、白熊は二所ノ関部屋に残留することを選んだ。これには正直驚いた。これにより「内弟子が独立時についていかない」という前例ができた。よって今後に影響を与えそうだ。ただ白熊が残留したことは賢明な判断だったと言える。なぜなら白熊が移籍したら二所ノ関部屋の関取は大の里一人になるからである。また部屋が茨城県ということで国技館から遠く、気軽に出稽古に行ける環境ではない。それに加えて大の里は白熊の一学年下であり、高校時代から付き合いが続いている。よって心の支えでもあり、大の里の稽古相手がいなくなる事態は回避された。

 自己最高位は前頭16枚目であり、2025年7月場所は西十両4枚目である。嘉陽とは違って前相撲からのスタートとなった。しかし出世は早く、所要8場所で十両に昇進した。また幕下付け出しデビューの大の里と同時の新十両昇進となった。その後も番付を上げ、2024年9月場所で新入幕を果たした。

 2024年1月場所から四股名を色白で筋肉質な体つきや、「北海のシロクマ」と呼ばれた元大関・北天佑にちなんだ「白熊(しろくま)」に改名した。

 相撲は右四つを得意としているが、左四つで相撲を取ることも多く、師匠が指摘しているように四つ相撲に対する自信のなさがうかがえる。今後に向けては技量の向上に加えて精神面も問われそうである。

 嘉陽とは部屋が別々になった後は2回対戦があり、いずれも嘉陽が勝っている。新十両、新入幕は白熊の方が早かったものの2025年7月場所では嘉陽の方が番付が上である。ただ今の若い人は情が移るようなことはほとんどなく、それはそれ、これはこれと割り切れる人がほとんどである。よって土俵の上ではライバルだが、プライベートでは仲良しといった関係が続きそうである。

続く