2024年11月場所を振り返って 優勝争い 12日目 正代ー豊昇龍戦 霧島ー隆の勝戦
12日目。1敗の3人のうち、豊昇龍は正代戦だったが正代の踏み込みを受け止めるとすかさず右を差して一気に寄り切った。危なげのない内容で1敗を守った。
この日の焦点は他の1敗の2人が勝てるかどうかだった。隆の勝は霧島戦だった。審判部としては1敗の二大関と当てる前に霧島戦で様子見といったところである。一方の霧島は連敗スタートから巻き返しているものの本調子ではない。また二大関の相撲内容が良く、初優勝に向けて負けられない一番となった。
相撲は隆の勝が霧島の変化を警戒し、見ながら当たった。すると霧島が左から張り差しを見せ、その後は押し合いとなった。そして霧島が落ち着いて対処する一方、隆の勝は張られたことで頭に血が上り、左右から張り手を繰り出した。その後右からの張り手が空振り、バランスを崩したところで霧島に左廻しを取られ、出し投げを打たれた後、最後は押し出された。
結果論だが、霧島は時に張り差しを見せる力士であり、頭に入れておかなければいけなかった。頭になかったからこそ落ち着いて対処できなかったということである。元大関栃東の玉ノ井親方が勿体無い黒星だったと解説していたが、私も全く同感である。この相撲に関しては霧島の方が上手だったということかもしれない。番付通りと考えれば当然である。それにしても隆の勝は二大関との対戦が予想される中で痛い星を落とした。2敗となり、優勝争いから一歩後退した。
続く
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