2021年1月場所を振り返って 優勝争い その1

 2021年1月場所は西前頭筆頭の大栄翔が13勝2敗という成績で初優勝を果たした。埼玉県出身力士では初、そして所属する追手風部屋の優勝力士も初となった。また1月場所に関しては4年連続で関脇以下の力士が優勝しており、そのうちの3回は平幕優勝である。最近は何が起こるか分からないといった印象の1月場所だが、今年も同様の結末となった。

 優勝争いに関しては今場所も両横綱が休場する中、綱取りの大関貴景勝に注目が集まった。しかし何と初日から4連敗し、綱取りの可能性が早々と消えた。結局貴景勝は10日目から休場し、3月場所は綱取りから一転、カド番となってしまった。そしてカド番で迎えた他の2大関も正代は8日目までに2敗し、朝乃山も6日目に3敗目を喫した。優勝するには厳しい星勘定になった。また今場所高いレベルでの成績を残せば大関復帰の可能性もあった関脇照ノ富士も6日目終了時点で3敗となり、場所後の大関復帰が厳しくなった。そして平幕を見渡しても大栄翔を除けば星の潰しあいであり、去年幕尻優勝を果たした徳勝龍のような存在は現れなかった。

 そんな中で大栄翔は初日から3大関を撃破し、4日目からは役力士を破り、中日勝ち越しを決めた。8日目終了時点で全勝は大栄翔1人、そして1敗はおらず、2敗で大関正代と平幕の明生、霧馬山、明瀬山の4人が追いかける展開となった。

続く