納谷四兄弟について その7

 入門時から注目していたが、入門の時は体格は立派だったものの体自体はぽっちゃりした印象があり、少し時間がかかると思っていた。個人的には幕下下位あたりで揉まれると思っていたが、一気に幕下上位まで番付を上げた。そこから少し苦労したが、幕下上位は胸突き八丁とも言われ、王鵬に限らず誰でも苦労する番付である。先々のことを考えても幕下上位で揉まれた経験は今後に活きてくると思う。それでも入門後3年での新十両昇進であり、思ったより早く出世したというのが私の印象である。

 改めて王鵬を紹介すると身長191センチ、体重175キロであり、突き・押しを得意としている。年齢は20歳である。入門時に比べて体が大きくなった上に体が締まり、筋肉が付いてきた。そして突き・押しが得意だが突きで相手を一気に後退させるのが王鵬の持ち味である。ただ突いた手を手繰られることも多く、手足が長いことを考えると四つ相撲が取れるに越したことはないような気がする。まだ若いので突き押しにこだわるのではなく、柔軟に対応してもいいと思う。いずれにしても馬力は持っているので馬力を活かした相撲を期待したい。

 母の美絵子さんによるとシャイでおとなしいけど、自分で納得しないと絶対に譲らない負けん気があるようである。性格的にも力士は合っているようである。また20歳でありながら土俵上で少しだけ悲愴感を浮かべているような表情が個人的にはたまらなく好きである。そして自他共に認める「おじいちゃん子」であり、場所が終われば欠かさず祖父の墓前に足を運んでいるようだ。少しでも大鵬に近づけるように頑張って欲しい。1月場所は負け越し、幕下転落が濃厚だが伸びしろがある力士なので今後も注目である。

続く。