2021年の大相撲を占う その1

 年が明けたが年末に荒汐部屋でクラスターが発生し、部屋の力士全員の休場が決定的となった。また横綱白鵬もコロナ感染し、事態を重く見た協会は全協会員のPCR検査実施を決めた。検査で陽性者が多数出た場合は中止の可能性も十分ある。今まで以上に厳しい状況であることに間違いはない。それでは2021年の大相撲を占っていきたい。テーマは5つある。

・両横綱の去就

・貴景勝の綱取り

・照ノ富士の大関獲り

・若手力士の台頭

・小兵力士、軽量力士の活躍

それでは1つずつ見ていきたい。

・両横綱の去就

 去年の11月場所後の横綱審議委員会で白鵬と鶴竜に対して注意が決議された。両横綱は2場所連続で初日から休場しており、処分は当然と言える。また以前の稀勢の里や貴乃花のように土俵上で大怪我をしたという訳ではないので印象としても良くない。

 そして両横綱ともに35歳という年齢であり、年齢だけで見れば横綱を張るのは厳しい状況である。理想は若手力士が台頭しての世代交代である。しかし両横綱が連続休場ではその機会すらないというのが現在の状況である。出場した場所はそれなりに結果を出している白鵬はまだしも、鶴竜は稽古場の写真を見ても体がしぼんでおり、体の立て直しに時間がかかりそうだ。1月場所は出場するかどうかは分からないが、いずれにしても厳しいという状況に変わりはない。

 ということで現状を見た限りでは鶴竜のほうが早く引退しそうな気がする。そして仮に鶴竜が引退すると白鵬の一人横綱となり、責任を全て背負わなければならないという点で白鵬の立場も厳しくなる。そう考えると両横綱が引退し、横綱不在となる可能性もあると私は見ている。勿論両横綱が引退し、バトンタッチという形で貴景勝が横綱に上がるのが理想的だはある。しかし横綱は必ずいなければならないという地位ではなく、昔でいえば曙が横綱に昇進する前のように、横綱不在が続いた時もある。今年は久々にその可能性が出てきたとは言えそうだ。あとは両横綱の土俵を横審と協会幹部がどう判断するかといったところである。あらゆることが考えられるのでこちらとしても両横綱の動向を注視していきたい。