貴景勝は横綱になれるのか? 来歴その4

 2020年1月場所は2敗で優勝争いを追走するも終盤に連敗し、11勝4敗で終わった。しかし大関として自身初めての2桁勝利となった。3月場所は場所前から左膝を痛めており、調子が上がらなかった。そして千秋楽は朝乃山に押し倒しで敗れて負け越しとなった。7月場所は11日目に勝ち越してカド番を脱出したが左膝の調子が思わしくなく、翌12日目から休場した。9月場所は休場明けとなり、左膝の状態が心配されたが白星を並べた。そして優勝はできなかったものの12勝3敗の好成績で場所を終えた。11月場所は初日から両横綱が休場する中で大関としての役割を果たし、13勝2敗で2年ぶり2回目の優勝を決めた。来場所は初の綱取りの場所となる。伊勢ケ浜審判部長は優勝が絶対条件と話していた。貴景勝にとっては来場所だけでなく、来年は綱取りの1年となる。

 ここまで振り返ってきたが、大関昇進までは負け越した場所はあるものの、ほぼとんとん拍子で出世してきた。これといった壁にもぶつかっていない。ただ大関昇進後は少し苦労している。膝の怪我などで思うように力を発揮できない場所が続いた。それでもそれまでが順調すぎたので苦労するのも悪くないと個人的には思っている。大関昇進時は一気に横綱へといったムードも漂っていた。しかしさすがにそこまで甘くはなかった。当然だが角界では横綱は神様であり、簡単に上がれる地位ではない。貴景勝にとっては一つの試練である。そうはいってもやはり力のある大関である。直近2場所は12勝、13勝を挙げており、再び横綱昇進への機運が高まってきている。

 さてそれでは貴景勝は横綱になれるのか?。私は上がれると思っている。理由は4つある。

・出世のスピード

・突き押し相撲

・周囲の状況

・意識の高さ、精神面の強さ

それぞれの理由を説明したい。

続く