貴景勝は横綱になれるのか? 来歴その3

 そして翌11月場所、小結で13勝2敗の成績で幕内初優勝を果たした。2019年1月場所は新関脇となり、大関昇進の可能性もあった。そして11勝4敗の成績だったが、千秋楽に豪栄道に完敗した点、そして2018年11月場所は上位力士との対戦が少なかったことなどを理由に場所後の大関昇進は見送られた。そして3月場所は10勝が大関昇進の最低ラインとなった。その3月場所は10日目に勝ち越すもその後は失速した。しかし千秋楽は栃ノ心を押し出しで破ると同時に10勝目を挙げ、場所後の大関昇進を決めた。前相撲から取って初土俵から所要28場所での大関昇進は1958年に定着した年6場所制以降日本出身力士としては史上1位、全体でも史上6位のスピード記録である。

 しかしここから苦難が待ち受けていた。5月場所は4日目に御嶽海に勝った際に右膝を痛め、5日目から休場した。そして8日目に再出場するも碧山に敗れ、9日目から再休場となった。翌7月場所は怪我の回復が遅れ、結局関取衆との稽古ができなかった。師匠の千賀ノ浦親方は休場を勧告したが貴景勝が出場をお願いし、話し合いが平行線をたどった。そして初日前日に貴景勝が休場勧告を受け入れ、7月場所の休場がようやく決まった。これにより大関を僅か2場所で陥落することになった。

 9月場所は場所前に不調が伝えられていたが、それに反して12日目に10勝を挙げ、大関特例復帰を果たした。そして12勝3敗という成績で御嶽海との優勝決定戦に出場したが、敗れて優勝を逃した。そしてその取組中に左大胸筋を肉離れしてしまった。11月場所は休場する可能性もあったが出場し、結局9勝6敗という成績に終わった。また大関として初めての勝ち越しとなった。

続く