大相撲11月場所個別評価 宝富士

 西前頭6枚目という番付となったが9勝6敗という成績だった。前半戦は7勝1敗と好調であり、9日目に勝ち越しを決めた。そして9日目終了時点で貴景勝、志摩ノ海とともに首位タイとなる1敗で並んだ。しかし10日目の北勝富士戦は取り直しの末、押し出しで敗れて2敗に後退。結局10日目以降は13日目しか勝てず、9勝で場所を終えた。

 内容に関しては前半戦は得意の左四つに組ませてもらえない時もあったが、上手く対応して白星を挙げていた。そして9日目の隠岐の海戦は相四つから先に右上手を取られたものの、逆転の突き落としで1敗を守った。しかし快進撃はここまでだった。10日目、11日目はいずれも1分以上の長い相撲の末、相手に根負けするような形で連敗した。おそらく精神的なダメージも残ったと思う。以降は相撲の流れ自体が悪くなってしまった。9日目終了時点では優勝の可能性もあると見ていたのでその点が少し残念であった。

 1月場所は上位力士総当たりの番付になるが、勝ち越しを期待したい。年齢は33歳であり、ベテランの域に入ってきているが衰えは見られない。そして4年以上平幕での土俵が続いており、久々の三役復帰が望まれる。また宝富士は伊勢ヶ浜部屋所属だが、照ノ富士や照強など気合を表に出す力士が多い中でいつも淡々としているのが印象的である。そして表情を表に出すことは滅多にない。その点では個性的であり、印象に残りやすい力士である。左四つという絶対的な型があり、今後も長く土俵を務めそうだが、上を目指すという意味でもうひと頑張りを期待したい。