大の里の今後を占う 来歴 その1

 大の里は3月場所で新小結となり、所要6場所での三役昇進ということで昭和以降では歴代2位のスピード記録となった。体格に恵まれている上にスピードがあり、将来の横綱候補である。それでは大の里を紹介したい。

 大の里は石川県河北郡津幡町出身であり、二所ノ関部屋所属である。また身長193センチ、体重175キロであり、突き・押し・右四つ・寄りを得意としている。

 小学1年から津幡町少年相撲教室で相撲を始めた。父は石川県立金沢松陵工業高校(現・金沢北陵高校)OBで全国青年大会無差別級で準優勝した実力者である。相撲教室では自ら廻しを付けて指導し、他の子どもの手前我が子に人一倍厳しく接する父に大の里は泣きながら必死に食らいついてきたそうだ。そして小学5年になるとライバルが力を付けてなかなか勝てなくなり、相撲への情熱が冷めかけたことがあった。しかし穴水町出身で新潟県立海洋高校に進んだ三輪隼斗の姿をテレビで見てから目の色が変わり、中学相撲留学を志した。

 糸魚川市立能生中学校に相撲留学すると、父は心配で練習や大会のたびに新潟に駆け付けた。しかし父から自立しようとする中村少年は中学に入学して3か月ほど経った頃に「もう僕に相撲の指導はしないで」と父に言い渡した。中学3年の8月、北信越大会で優勝すると、翌週の全国中学校相撲選手権大会で3位に入った。そして翌年1月の白鵬杯で全国初制覇を果たした。

続く