2020年11月場所個別評価 御嶽海
今場所は7勝8敗で負け越し、大関獲りは白紙となった。前半戦は6勝2敗で折り返し、優勝の可能性も残していた。しかし9日目から6連敗し、14日目に負け越しが決まってしまった。千秋楽は宝富士を突き落としで破り、7勝目を挙げたので三役の地位は保てそうである。
内容に関しては今場所はいつもよりも廻しを取りに行く相撲が多かった。寄り切りで3番。上手投げで1番勝っている。本来は押し相撲が主体なのでその部分が少し意外だった。ただ結果論ではなく、廻しを取りにいったとしてもリーチが長いわけではないので軽量力士を除けば押し相撲中心でいいと思う。また前半戦は6勝したが押し込まれる相撲も多く、内容はあまり良くなかった。結局調子が上がらなかったので後半戦に連敗したということだと思う。押し相撲にしても四つ相撲にしても、まずは立ち合いでしっかり当たってから押し込みたいところだ。
それでも今場所は負け越したものの引き技はほとんど見られなかった。立ち合いから押し込んでいこうという姿勢は見えた。結果に結びつかなかったが今後もこういう姿勢で相撲を取って欲しい。目先の勝ち負けではなく、コンスタントに押し込む力が付けば自ずと大関が見えてくる。
今年の御嶽海は三役に復帰するも大関獲りは失敗に終わった。そして朝乃山と正代に先を越されてしまった。他ならぬ本人が一番悔しい思いをしているはずである。この悔しさを来年にぶつけてほしい。
1月場所に関しては繰り返し言っているが2桁勝利を挙げ、大関昇進の起点を作りたい。また結果は出なかったが9月場所後に行われた合同稽古に参加し、精力的に稽古をしていたようだ。稽古嫌いのレッテルが貼られてしまった感があるがけっしてそんなことはなさそうである。今場所の結果は気にせず、引き続き押し相撲を磨いていってほしい。やはり稽古場から常に意識することが大切である。誰もが認める実力者である。その才能が大関昇進という形で開花することを期待したい。
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