大相撲11月場所個別評価 朝乃山

 今場所は1勝2敗12休という成績に終わった。1月場所は初のカド番となる。初日は霧馬山を力強く寄り切ったが2日目は小結照ノ富士に上手投げで敗れた。そして3日目から「左肩三角筋挫傷」で休場した。どうやら痛めたのは初日の霧馬山戦であり、師匠の高砂親方によるとあざになって内出血もしていたみたいだ。

 霧馬山戦を観たが、立ち合いで霧馬山の頭が朝乃山の右肩にぶつかった際に痛めたようだ。しかし見た限りでは霧馬山は普通に当たっているようにしか見えなかった。痛みは本人にしか分からないが、観ている方からすれば「これくらいで休場しているようでは・・・」と思ってしまう。コロナで出稽古禁止の中、9月場所後に行われた合同稽古に朝乃山は参加しなかった。ましてや部屋には関取は朝乃山一人しかおらず、あとは幕下以下である。本場所の土俵で久々に幕内力士の当たりを受け、それが休場につながったということだと思う。そうだとすれば、折角合同稽古という機会がありながらなぜ参加しなかったのかと言われても仕方がないと言える。

 また痛めた右肩は回復してきているようなので、できれば12月18日から23日まで行われる合同稽古に参加してほしいところだ。幕内力士と手合わせするだけで感覚的なものは全然違ってくると思う。一人のトレーニングは場所前でも十分できるはずである。

 さて今年を振り返ると3月場所後に大関に昇進し、大きな飛躍を遂げた1年となった。ただ9月場所は10勝、11月場所は途中休場ということで勢いは止まってきている。来年に向けては巻き返せるかどうかが今後に向けて非常に大きなポイントになりそうだ。カド番脱出は勿論だが横綱昇進に向けては技量だけでなく、強い精神力が問われる。

 1月場所は初のカド番となるが朝乃山にとっては目に見える形では初の逆境となる。乗り越えるのは当然として、どう乗り越えていくかに注目したい。今までは上の地位ばかり見てきた朝乃山だが、カド番ということで足元も見なければならない状況である。そういった重圧の中で目的を持ちながら普段通りに稽古をすることが大切である。何度も言っていることだが朝乃山は経験がまだまだ足りない。本場所の相撲で経験を積みながら成長してほしい。横綱候補であることは間違いないので更なる成長を期待したい。