琴奨菊引退 今後に向けて

 さて今後であるが、当然部屋付きの親方として指導することとなるが、佐渡ヶ嶽部屋には元大関以上は独立できるという不文律があり、将来は独立して部屋を興すものと思われる。まずは将来有望な人材を獲得し、育成していくことが求められる。分家独立して部屋を運営していくことになっていくと思う。

 そして個人的には協会幹部となり、理事長になることを期待したい。部屋のことは部屋付きの親方に任せ、自らは相撲協会の為に尽力するような役割が琴奨菊には合っているような気がする。また理事長は別にして、先代佐渡ヶ嶽親方からは「人から尊敬される力士になれ」との意味で「琴奨菊」という四股名が与えられている。ちなみに四股名で「奨」という字が入っている力士はほとんどおらず、親方が琴奨菊の人間性を高く評価していたのがよく分かる。また初優勝を決めた後は自らの稽古よりもマスコミ対応を優先し、TV出演していた。賛否はあったが、私はファンのことを考えての行動だったと思っている。こういった対応は今後に活きてきそうである。

 勝手ながら私は琴奨菊の人生はこれからだと思っている。確かに現役生活は終わったが琴奨菊は人望があり、人間性は申し分ない。そして時間をかけて大関に昇進するなど苦労してきている。また力士にありがちな無口で何もしゃべらないというタイプではなく、メディアの要求に応じて行動できる器用さも備えている。その点では現役力士や親方衆よりアドバンテージがあると思っているのでその才能を存分に生かしてほしい。引退はしたが力士として以外の魅力が琴奨菊にはたくさんあるので、今後の活躍を期待するとともに楽しみにしたい。

終わり