2024年1月場所個別評価 大奄美

 今場所は東十両筆頭だったが8勝7敗で勝ち越した。前半戦は5勝3敗で折り返した。そして後半戦は9日目から3連敗し、黒星が先行した。その後は巻き返し、7勝7敗で千秋楽を迎えた。幕内復帰に向けて大事な一番となったが獅司を押し出しで破り、勝ち越しを決めた。そして10場所ぶりの幕内復帰が確実となった。

 内容に関しては左膝を痛めており、踏ん張りが利かないので速い相撲を心掛けていた。またいつもなら相手を見ながら体当たりすることが多いが今場所は立ち合いで頭から当たる相撲が多く見られた。決してぶちかましが強い力士ではない。しかし頭からぶつかることで早く決着を付けようという強い意志が見えた。

 また身長185センチ、体重188キロと体は大きいが器用さがこの力士の持ち味である。基本は右四つを得意としているが巻き替えが上手く、相手に持ち味を発揮させない相撲が取れるタイプである。そして今場所は押し出しで4番勝っているように押し相撲も取れる。同じく十両筆頭だった水戸龍と並んで十両では実力上位である。本人には失礼かもしれないが、十両の主と言っていい存在である。

 3月場所は西前頭16枚目となり、再入幕となった。勝ち越しを期待したいところだが、幕内は立ち合いの当たりが強くなるので今場所の相撲内容が通用するかは微妙である。やはり左膝の回復具合がポイントになりそうな気がする。ある程度回復した上で前に出る相撲が取れれば勝ち越しの可能性も出てくるので相撲内容の進化に期待したい。