今年の大関候補2024 若元春

・去年1年に関して

 1月場所は新小結となり、9勝を挙げると3月場所は11番勝ち、5月場所は新関脇となった。この場所でも10勝をマークし、7月場所は大関獲りの場所になった。しかし終盤に失速し、9勝に終わったので大関獲りはならなかった。その後11月場所は6勝9敗と負け越した。今場所は7場所ぶりの平幕となったが、去年は三役に定着し、飛躍の一年だったと言っていいと思う。

・課題

 左四つに組み止めての力強い相撲が持ち味だが、対戦相手に研究され、思うような相撲が取れなくなってきた印象がある。また考えながら相撲を取っているのは分かるが、それが結果として出ておらず、壁にぶつかった感じがする。

 あとは体重は現在145キロだが、体重が増えないのも気になる。幕内平均を下回っており、上を目指すとなると150キロは欲しいところである。ひょっとしたら腰痛を抱えており、それが原因で増量ができないという可能性もある。

・今後に向けて

 1月場所は東前頭筆頭であり、勝ち越せば三役に復帰できるので何としても勝ち越したいところだ。また年齢が30歳であり、負け越すようなことがあれば三役に復帰することはできても大関は厳しくなりそうである。

 あとは今場所は潜在能力が問われる場所となりそうである。地力があれば勝ち越せるし、なければ負け越すということである。踏ん張りどころだとは思うが、気力でカバーできるものではないと私は考えている。大関に上がれるかどうか?。その意味では試金石の場所と言えそうだ。

 そして場所が終わったが10勝5敗の好成績で初三賞となる殊勲賞を受賞した。2日目は照ノ富士を寄り切りで破り、対照ノ富士戦初勝利と同時に初金星となった。また貴景勝や大関獲りの琴ノ若にも勝ち、存在感を見せた。しかし欲を言えば後半戦の2敗は余計だった。いずれも勝てていた相撲であり、詰めが甘かったと言われても仕方がない。意識や考え方の問題であり、上を目指すためにはこういった相撲は一番でも減らしたい。

 それでも1場所で三役に復帰できるのは地力がある証拠である。3月場所は関脇復帰となりそうだが二桁勝利を挙げ、大関昇進への起点を作りたい。若手力士が成長してきており、今年中に大関に上がるという覚悟を持って臨んで欲しい。