勝負はここから! 熱海富士 最後に

 さて今後に向けては1月場所は自己最高位となる西前頭筆頭となり、初めての上位総当たりの番付となった。番付的には初日から上位力士との対戦が続く厳しい位置であり、地力と底力が問われる。現時点では勝ち越せるかどうかといった実力だと私は見ている。勿論好成績を挙げれば来場所の新三役が見えてくる。しかし今度は先場所までとは違って強い力士との対戦ばかりなので体力的に消耗するのは確かである。年齢は21歳と若いので、今は目先の結果よりも上位力士に揉まれながら少しずつ力を付けていきたいところである。負け越したところで失うものは何もなく、その意味では思い切ってぶつかって欲しい。

 1月場所は11日目終了時点で5勝6敗であり、勝ち越しに向けて必死の土俵が続いている。勝った相撲も土俵際での突き落としなどギリギリの内容もあり、終盤に向けてもギリギリの中で勝ったり負けたりとなりそうだ。役力士との対戦は終わっており、勝ち越しの可能性は残されているので精一杯頑張るしかない。あとは戦えるスタミナが残っているかどうかといったところだと思う。

 笑顔がかわいい力士だがコメントは浮ついたところがなくしっかりしており、大物感が漂っている。また今時の力士にしては貪欲であり、真摯に稽古に取り組んでいるようである。そして上位力士に揉まれる以前に部屋で揉まれており、精神面も強そうだ。素材としては上を目指せるのは間違いない。今年一年、どのような成長曲線を描くのか今から楽しみである。

終わり