徳勝龍引退について 来歴 その4

 さて翌3月場所は自己最高位を更新し、西前頭2枚目となったが4勝11敗という成績に終わった。しかし6日目は横綱鶴竜を寄り切りで破り、自身初となる金星を獲得するなど見せ場を作った。

 2021年1月場所は東前頭8枚目だったが3勝12敗と大きく負け越し、翌3月場所では十両に陥落した。幕内最高優勝から5場所で十両に陥落するのは、従来の最速の記録だった若浪の7場所より2場所早く、ワースト記録となった。後に2022年7月場所で幕内最高優勝を果たした逸ノ城が3場所で十両に陥落したため、現時点では逸ノ城がワースト記録となっている。

 その後は二場所十両で過ごし、同年7月場所で再入幕を果たすも11月場所に再び十両に陥落し、陥落後は十両での土俵が続いた。

 そして2022年11月場所は東十両12枚目で4勝11敗と大きく負け越し、幕下陥落が避けられない成績となった。翌2023年1月場所は約11年ぶりに幕下へ陥落。幕内最高優勝者の幕下陥落は照ノ富士、朝乃山に続き三人目となった。この場所は西幕下2枚目となったが4勝3敗で勝ち越し、場所後の番付編成会議で再十両が発表され、一場所で十両復帰となった。また36歳6か月での再十両は戦後4位の高齢記録となった。私的にはこの場所は本当によく頑張ったと思う。ベテランであり、この場所で十両に復帰できなければ十両復帰が困難となることは目に見えている。体の衰えを気力と経験でカバーし、関取復帰にこぎ付けた。

続く