2023年7月場所個別評価 霧島 

 今場所は新大関の場所だったが6勝7敗2休という成績に終わり、来場所は大関二場所目にして初のカド番となった。場所初日に「右肋骨骨挫傷で約3週間の安静加療を要する見込み」との診断書とともに休場届を提出し、初日は不戦敗となった。そして師匠の陸奥親方は「本人は良くなれば出たいらしい」と炎症が治まれば再出場の可能性を示唆した。そして良くなったということで4日目からの出場が決まった。4日目の琴ノ若戦は勝つも翌日は翔猿に敗れた。そして7日目からは平幕相手に連敗し、勝ち越しに向けて厳しい状況に追い込まれた。後半戦は4連勝し、調子を上げてきたかに見えた。しかし13日目は豊昇龍に敗れると14日目は朝乃山に掬い投げで敗れ、負け越しが決まった。

 内容以前に肋骨の痛みということで疲れが溜まっていたのだと思う。先場所は大関獲りの場所で頑張ったと思うし、大関昇進後は挨拶回りなどで大変だったはずである。無理してきた反動が場所直前に来たということである。ただ負け越したとはいえ、出場した意義はあったのではないかというのが私の考えである。奇しくも横綱の休場と入れ替わりに出場という形となり、一人大関として結びの一番を務めることになった。これが霧島が休場していれば横綱・大関不在の異常事態であり、霧島の出場が相撲協会を救った部分もあったと思う。また相撲を取ることで看板力士としての責任を果たすという意味を実感できたのではないかという気がする。

 そして内容に関しては場所後に本人が「肋骨の痛みが出たり、治まったりと難しかった」と語っており、相撲内容も日によって良かったり悪かったりといった感じであった。しかし今後に向けても常に良い体調で土俵に上がれる訳ではないので、師匠が言うように今場所はいい勉強になったと思うし、この経験を次に生かしてほしいところだ。

 場所後の夏巡業には参加しており、8月3日からは実戦稽古を再開したようだ。体調面は問題なさそうだが、オーバーワークにならないことも大切である。看板力士なので自分のペースで調整してほしい。

 9月場所はカド番だがカド番を意識せず、普通に取れば特に問題ないと思う。ただ今場所は4日目からの出場だったが、序盤に黒星が増えれば当然勝ち越しに向けては苦しくなる。やはり序盤の取りこぼしには注意したい。そして同じモンゴル出身の豊昇龍が大関に昇進したことも刺激になっていると思う。立場は一緒になったが豊昇龍の方が年下であり、豊昇龍の方が先に横綱に上がるようなことがあれば自らの立場が苦しくなるのは明らかである。夏巡業では豊昇龍を圧倒しているようだが、稽古場から豊昇龍は意識したいところだ。そして豊昇龍と切磋琢磨し、横綱昇進に向けて強くなってくれることを期待したい。