2022年1月場所を振り返って 優勝争い その1

 2022年1月場所は関脇御嶽海が2019年9月場所以来となる3度目の優勝を果たした。成績は13勝2敗だった。また千秋楽に照ノ富士を破ったことで大関昇進の目安となる「三役での直近3場所で33勝」に到達した。これにより協会審判部は臨時理事会の開催を八角理事長に要請し、了承された。そして場所後の1月26日の番付編成会議で正式に大関昇進となった。それでは優勝争いを振り返っていきたい。

 8日目終了時点で全勝は御嶽海、それを1敗で横綱照ノ富士が追いかけ、2敗は阿炎など平幕力士が6人といった展開となった。御嶽海は珍しくポカがなく、しっかりと白星を並べてきた。そして照ノ富士は優勝候補の筆頭だったが6日目に玉鷲に敗れ、連勝記録が23でストップした。また大関は貴景勝が3日目の宇良戦で右足を痛め4日目から休場。そして正代は5日目から平幕相手に3連敗するなど早々と優勝争いから脱落した。他に目立った力士はおらず、この時点で優勝争いは御嶽海、照ノ富士、そして先場所優勝争いに絡んだ阿炎の3人が有力になったと言っていいと思う。照ノ富士が追いかける展開になったという意味では少し面白くなった。

 後半戦は10日目に優勝争いが動いた。全勝の御嶽海が北勝富士に敗れて初黒星。一方照ノ富士は勝ち、トップに並んだ。そして2敗で平幕の阿炎と宝富士が追う展開となった。11日目は宝富士が敗れて3敗に後退したが他の3人は白星を伸ばした。そして12日目。御嶽海が阿武咲に敗れて2敗となったが照ノ富士も明生に敗れて2敗となり、2敗で照ノ富士、御嶽海、阿炎の3人が並んだ。こうなると当然3敗力士にも可能性が出てくるが、琴ノ若が3敗を守り、優勝争いに顔を出してきた。照ノ富士の動きが良くないのは明らかであり、だれが優勝してもおかしくない状況になった。

続く