遅れて来た大物! 若元春 来歴その3

 そして新十両の場所は5勝10敗と負け越し、一場所で幕下に逆戻りとなった。3場所の幕下暮らしを経て同年11月場所に十両に復帰した。また11月場所前の11月7日に不謹慎な内容の動画をインスタグラムにアップロードしたとして阿炎とともに協会に始末書を提出し、9日に謝罪。八角理事長と鏡山危機管理部長から口頭で厳重注意を受けた。

 2020年3月場所は3度目の十両昇進となったが8勝7敗で勝ち越した。また師匠の定年直前の場所であり、定年退職する師匠への餞別として勝ち越しを捧げた格好となった。その後ようやく十両に定着した。

 2021年11月場所は西十両筆頭だったが11勝4敗の好成績を挙げ、翌2022年1月場所での新入幕が確定し、弟の若隆景との兄弟幕内が誕生することとなった。その後新入幕から3場所連続で9勝6敗と勝ち越した。同年7月場所は初の上位対戦圏内の東前頭4枚目となり、6勝9敗で負け越した。しかし5日目に大関正代を破り、初顔の横綱照ノ富士戦も見せ場十分の相撲を取り、存在感を示した。ただ本人は負け越したことが悔しかったようだ。その後は2場所連続で10勝を挙げ、2023年1月場所は新小結となり、弟で関脇の若隆景とともに兄弟同時三役となった。1992年3月場所の若花田・貴花田以来である。

 新三役となっても勢いはまだ止まらない。新三役の場所は9勝6敗で勝ち越すと3月場所は11勝を挙げ、翌5月場所は新関脇となり、弟の若隆景とともに史上四組目の兄弟関脇となった。そして5月場所は10勝5敗という成績で初三賞となる技能賞を受賞した。また三役での二場所連続二桁勝利ということで7月場所は豊昇龍、大栄翔とともに大関獲りの場所となった。

続く