宇良関取復帰について その3
それでは志摩ノ海の紹介をしたい。志摩ノ海は三重県出身で木瀬部屋の力士である。身長177センチ、体重165キロであり、突き押しを得意としているが四つ相撲も取れるタイプである。近畿大学出身であり、2012年5月場所に初土俵を踏んだ。三段目優勝を果たすなど負け越し知らずで番付を上げ、2013年7月場所は西幕下4枚目であり、十両が目前に迫っていた。しかし4番相撲で千代丸に敗れた際に左膝前十字靭帯断裂の大怪我を負ってしまう。その後も休場が続き、土俵に復帰した2014年7月場所には番付は序ノ口まで転落していた。十両に上がれず、序ノ口まで転落したという点では宇良以上に辛い思いをしているはずである。しかしコツコツとトレーニングを積み、2016年7月場所に新十両に昇進。1場所で幕下に転落したが2018年3月場所に再十両を果たした。その後は十両に定着。2019年1月場所と3月場所で連続優勝し、翌5月場所に新入幕を果たした。そしてその場所は10勝5敗の好成績で初となる敢闘賞を受賞した。その後も幕内に定着し、現在に至っている。
さて宇良に話を戻すと2019年11月場所に土俵に復帰した。番付は序二段西106枚目である。復帰の場所は6勝を挙げ、2020年1月場所と3月場所は序二段、三段目で連続優勝を果たした。そして幕下に番付を戻し、2場所連続で6勝を挙げ、十両復帰となった。約3年半ぶりとなる関取復帰だがここまで本当によく耐えたと思う。特に2度目の大怪我の時は私も終わったと思ったくらいである。元幕内であり、幕内復帰が目標と思われるが一区切りといった感じである。
現在の宇良は幕内で相撲を取っていた頃とは少し違う。まずは体重が増えた。一時は体重が150キロまで増えたみたいだが150キロを保つのは限界であり、自然に20キロがあっという間に減ったらしい。それでも宇良は増量を目指しており、150キロの動ける体を追い求めているみたいだ。また体重だけでなく、筋力トレーニングで体が分厚くなっている。その成果もあり、押されることが少なくなった。
相撲の取り口も変わった。以前は相手の懐に入っての多彩な技が光っていたが今はそのほとんどが押し相撲である。それに加えて立ち合いで足取りにいくくらいである。あとは四つ相撲で勝った一番があった。どうやら流れ次第で四つ相撲になった時の稽古をしていたようだ。四つ相撲を取れれば相撲の引き出しが増えるし、増量した今の宇良の体型なら四つに組むのも悪くない。いずれにしても大怪我をする前の宇良とは違うことだけは頭に入れておきたい。
続く
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