2022年11月場所個別評価 霧馬山
今場所は8勝7敗という成績だった。前半戦は5勝3敗で折り返した。そして後半戦も白星を伸ばし、12日目は正代を寄り切りで破り、勝ち越しを決めた。残り3日あり、二桁勝利も期待された。しかし13日目からは3連敗し、結局8勝で終わった。また大関昇進への起点を作ることはできなかった。
内容に関しては前に出る圧力は強くなったと思う。6日目は玉鷲相手に突き出して勝った。また負けはしたものの、5日目の大栄翔戦も土俵際まで押し込んだ。そして宇良、翠富士、翔猿といった小兵、軽量力士も上手くさばいていた。体の大きくない力士が相手なら組み止めさえすれば大丈夫そうである。一方四つ相撲に関してはやはり左上手を取れば力を発揮できるものの、そうならなかった時は苦戦していた感じがする。千秋楽の豊昇龍戦は立ち合いで右に変わられて右上手を取られたが、左が下手になると力を発揮できない。結局頭を付けられ、投げ技で揺さぶられながら最後は寄り切られた。また立ち合いで左上手を求める相撲は何度も取っており、相手もそれは頭に入っており、今後は使えないも同然である。ということで今後に向けては立ち合いの圧力を増し、突き押しの威力を強化する必要がありそうだ。勿論今までも努力していたので勝ち越し、三役の座を維持できているのだと思う。しかし大関昇進を見据えた場合は更なるレベルアップが求められる。14日目は平幕の阿武咲相手に組み止められないまま突き落としで敗れた。師匠の陸奥親方が言うように前に出る圧力が身に付いていないということである。一場所を通してコンスタントに前に出る圧力を身に付けたい。
来場所は小結となったが二桁勝利を挙げ、大関昇進への起点を作りたい。年齢は26歳であり、大関昇進に向けては大事な一年となりそうだ。勿論三役で二桁勝利を挙げることが大前提だが、同じ大関候補でも若隆景や豊昇龍の影に隠れている印象がある。成績だけでなく、今まで以上に力強い相撲内容が求められる。今年は飛躍の一年にしたい。