2022年11月場所を振り返って 優勝争い 三賞など
さて阿炎の優勝は見事としか言いようがない14日目は豊昇龍に勝って3敗を守り、高安への挑戦権を得た。そして千秋楽は本割と巴戦で高安に連勝し、最後は大関を破った。また巴戦での変化も阿炎らしいと言える。考えた上での変化であり、気合の入った表情はしていたものの、心は落ち着いていたものと思われる。出場停止を機に心を入れ替え、相撲に取り組んできた結果の優勝である。心からおめでとうと言いたい。
高安は優勝を逃したことよりも首を痛めたことの方が心配である。全治1か月の診断書を提出し、冬巡業は休場となった。貴景勝は優勝争いに食らいつく立場だったので私としては決定戦に進出したことで役割は果たしたと思っている。またそのことを協会も評価しており、来場所高いレベルで優勝すれば横綱昇進と横綱審議委員会が明言した。照ノ富士の休場がもうしばらく続くものと思われるので妥当な判断である。チャンスがあるからには活かしてもらいたい。
三賞は優勝争いをリードした高安が4度目の殊勲賞を受賞した。技能賞は千秋楽に勝てばという条件付きだったが豊昇龍が11勝4敗という成績で2度目の受賞となった。敢闘賞は初優勝を果たした阿炎が4回目の受賞。番付が大きく下がったので二桁勝利は当然と見ていたが、休場明けでの優勝はよく頑張ったと思う。
十両は決定戦の末、西12枚目の欧勝馬が11勝4敗という成績で初優勝を果たした。千秋楽は星一つ差で追走していた大奄美に敗れて決定戦に持ち込まれたが連敗はしなかった。欧勝馬はモンゴル出身で年齢は25歳だが、本格的に相撲を始めたのが大学に入ってからであり、相撲の経験自体がまだ浅い。また身長187センチ、体重150キロと体格に恵まれている上に体も柔らかい。相撲は頭を付けての押し相撲が主体だが廻しを取っても相撲が取れる万能タイプである。しかし取り口はまだ完成されておらず、将来が非常に楽しみである。今後の成長に期待したい。
終わり
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