2022年11月場所を振り返って 優勝争い その5
千秋楽はまずは高安と阿炎の一番である。高安が勝てば初優勝が決まる。相撲は立ち合いは高安はかち上げ、そして阿炎はもろ手でぶつかり合った。その後は押し合いとなり、高安が押し込むも阿炎が左へ回り込み、なかなか押し切れない。そして再度左へいなした阿炎が今度はのど輪を入れて反撃。高安が左を手繰るも呼び込む形となり、そのままの勢いで阿炎が突き倒した。これで優勝決定戦が決まったが、14日目の相撲内容がそのまま反映された結果となった。阿炎はとにかく体がよく動いており、簡単には土俵を割らない。一方高安は押し切るのか、それとも四つに組み止めるのか、どっちつかずの相撲になった。そして硬くなっており、体の動きも良くない。これでは勝てないのも当然である。後は貴景勝が勝てば3人による巴戦。負ければ2人による決定戦となった。
優勝の可能性が出てきたので貴景勝と若隆景の取組にも当然注目が集まった。先場所は立ち合いで若隆景が変化し、貴景勝が負けている。しかし貴景勝は今度は変化はないと見て思い切ってぶつかった。立ち合いは五分。その後は押し合いとなったが若隆景は廻しが取れずに守りに回った。そして間隔が開いた瞬間、貴景勝の強烈な左からの張り手が若隆景に命中。その後貴景勝が押し込んだ後に叩き込みが決まり、優勝決定巴戦となった。高安が負けたとはいえ、大関として12勝目を挙げ、優勝決定戦に駒を進めただけでも意義はあったと思う。貴景勝の気迫が勝ったという相撲内容だった。
続く
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