2022年11月場所を振り返って 優勝争い その3
14日目。高安は輝との取組。そして3敗の4人は貴景勝は王鵬と、そして豊昇龍は阿炎との割が組まれた。いずれも3敗同士の直接対決であり、勝った方が優勝争いに残る。そして負ければ優勝の可能性がなくなるという取組となった。
何と言っても注目は単独トップに立った高安である。今日勝てば明日勝って優勝という有利な立場を作れる。対戦相手は輝。再入幕の場所であり、今場所はここまで9勝と好調ではあるものの、上位力士を倒した経験はほとんどなく、また立ち合いの変化もない力士である。実績的には勝って当然の相手だが、問題は高安の精神状態である。今まではここ一番というところで星を落としてきただけに乗り越えられるか不安な部分もあった。
そして相撲は前日同様右からかち上げを見せるも輝も頭に入っており、押し合いとなった。そして高安が土俵際まで押し込むも輝の体勢は崩れず、いなされて残された。すると今度は輝が反撃。押し返すと高安がまともに引いた。墓穴を掘ったかに見えたが何とか左へ回り込み、最後は叩き込んだ。確かに勝ったことは大きい。しかし千秋楽に向けて弾みのつくような相撲内容ではなかった。また体の動きも硬く、緊張しているのは観ていても分かった。一日一番とはいっても一日で大きく相撲が変わる訳ではなく、流れがつながっている部分もある。その点で不安が残ったのは否めない。
続く
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