2026年1月場所個別評価 若隆景
今場所は西前頭2枚目だったが9勝6敗という成績だった。前半戦は上位力士との対戦が多かったが4勝4敗で折り返した。そして後半戦は平幕力士との対戦となったが10日目からは白星を伸ばし、14日目は大栄翔に勝って3場所ぶりの勝ち越しを決めた。
内容に関してはいつものように右差しの相撲を主体として自在性のある相撲を取っていた。ただ大関獲りだった去年の9月場所で首を痛めたこともあり、苦しい土俵が続いているのも確かである。初日の霧島戦は立ち合いで左へ動いて左上手を狙ったものの取れずに押し出された。また勝ち越しを決めた大栄翔戦は当たらずに左へ変わっての注文相撲であり、白星への執念を見せた。おそらく大関獲りの場所は人生を懸けて臨んでおり、その中での怪我ということで、今は我慢のしどころである。
しかし勝った相撲に関しては相撲巧者ぶりを見せていた。2日目の高安戦は当たってすぐに右を差すと左上手は許さず頭を付け、機を見て左からおっつけて起こした。その後高安が右をのぞかせたところで右肩透かしで転がした。本当は前に出たかったのかもしれないが、それでも頭を押さえての肩透かしに館内からは大きな拍手が起こっていた。12日目の義ノ富士戦は義ノ富士のモロ差し狙いを許さず右を差すと左から強烈に絞ってモロ差しとなった。そして義ノ富士が左へ回り込むのを逃さず寄り切った。義ノ富士は若手期待の有望株だが、技量に関しては若隆景の方が一枚上である。そして千秋楽の平戸海戦は当たってすぐに右を差したが左上手は取れず、逆に右下手を取られた。しかしすぐさま左からおっつけて下手を切ると右肩透かしで平戸海を土俵に沈めた。本人が言うように下からという意識で相撲が取れており、自分の相撲を取って場所を締めた。
来場所はおそらく西筆頭となりそうだが、勝ち越しての三役復帰を期待したい。技量は持っており、首の状態さえ良くなればまだまだ相撲が取れるはずである。また今場所は若手の義ノ富士と熱海富士が三賞を受賞しており、世代交代といった印象もある。しかし去年は大関獲りまで駒を進めており、このまま新鋭の台頭を許すわけにはいかない。よって若手力士の壁となる役割を求めたい。兄の若元春は今場所は小結で勝ち越しており、目指すは兄弟同時三役である。
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