2022年3月場所個別評価 霧馬山
今場所は10勝5敗の好成績だった。前半戦は5勝3敗で折り返した。4日目は今場所優勝した若隆景に初黒星を付け、5日目は新大関の御嶽海に同じく初黒星を付けた。後半戦は12日目に勝ち越しを決めると千秋楽は琴恵光を小手投げで破り、白星を二桁に乗せた。
内容に関しては左前廻しを取り、両廻しを取って頭を付けるという相撲が取れるようになってきた。力を付けてきている証拠である。若隆景戦は立ち合いから相手を押し込み、タイミング良く叩き込んだ。御嶽海戦は立ち合いから相手に右を差され寄り立てられたが左廻しを取って残すと頭を付け、右廻しも取ると引き付けて一気に寄り切った。新大関を相手に堂々たる内容での勝利であり、これは評価したい。
しかし課題もある。阿炎戦はもろ手突きで、そして貴景勝戦はぶちかましで一気に後退しての完敗だった。以前よりは立ち合いの当たりが強くなってきているものの、上位力士が立ち合いを決めてきた時に、土俵際でもいいので残せるようになりたい。また若元春戦も立ち合いで当たり負けし、相手得意の左四つに組み止められて寄り切られた。更なる立ち合いの当たりの強化と安定感の向上が求められる。
5月場所は東前頭2枚目となり、上位総当たりの番付となった。平幕上位で揉まれながら少しずつ力を付けており、二桁勝利は勿論、勢いが付けばそれ以上の大勝ちも期待できる。足腰が強く、しぶとさが持ち味でもあるので相手に嫌がられるタイプの力士である。また師匠の元大関霧島の陸奥親方の現役時代の相撲に少しずつ近付いており、今場所だけでなく、この先が非常に楽しみである。
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