2025年7月場所を振り返って 優勝争い 12日目 草野ー若隆景戦

 草野は若隆景戦だった。草野は新入幕ということで初顔合わせである。また草野は初の役力士との対戦ということで注目の取組となった。相撲は両者頭からぶつかり、若隆景が右からおっつけながら差し、下手を取った。そして両者低い姿勢ながら若隆景は頭を付け、草野は左から抱える格好となった。次は草野の右と若隆景の左の攻防である。激しい差し手争いとなったが、草野の左が抱える形からおっつける形に変えた。若隆景はその隙を見逃さず、左はおっつけながら差すと両差しとなり、一気に前に出て寄り倒した。

 勝った若隆景は8勝目となり、勝ち越しを決めた。7日目までで4敗を喫しており、苦しい前半戦となったが8日目からは5連勝し、相撲にも勢いが出てきた。また草野同様右四つ得意だが、新鋭の若手相手に技量の違いを見せつけた。そして今場所は大関昇進の、足掛かりの場所であり、更なる星の上積みを目指したい。

 一方負けた草野は3敗となり、優勝争いから一歩後退した。相撲内容も当たってすぐに右を差された上に下手を取られ、動きを止められてしまった。その後は防戦一方となり、完敗の内容だった。確かに優勝争いに向けては痛い黒星である。しかし本場所の土俵での若隆景の厳しい攻めはいい経験になったはずである。私的には次の対戦が楽しみで仕方がない。