目指すは三代目若乃花! 安青錦 師匠の紹介 晩年の頑張りに関して

 また晩年は膝に特注のカーボン製の装具を付けて土俵に上がっており、懸命の土俵が続いた。そして39歳で迎えた2017年11月場所は8場所ぶりに幕内に復帰した。この場所は8勝7敗で勝ち越し、103場所ぶり2度目の敢闘賞を受賞した。この敢闘賞は、この場所を入院中のため休場した二所ノ関審判部長の代理を務めていた師匠の伊勢ケ浜親方が「この年齢でよく頑張った」という理由で三賞選考委員会で自ら候補に名を上げた。そして過半数の賛成を得て受賞が決定したものだった。2年ぶりの幕内での勝ち越しということもあり、涙を流しての感動のインタビューとなった。

 その後十両に陥落したものの、2018年5月場所は39歳6か月で再入幕となり、自身が持つ昭和以降で最高齢の再入幕記録を更新した。そして2019年7月場所10日目に現役引退を発表し、翌11日目の7月17日に現役引退と年寄・安治川襲名が発表された。

 上位力士を相次いで倒した若い頃の相撲も素晴らしかったが、個人的には晩年の頑張りが強く印象に残っている。一番一番に懸ける執念は並々ならぬものがあった。絶体絶命の体勢からの逆転勝ちも何度もあり、その度に感動したことを覚えている。執念の土俵はファンの心に胸を打つものがあった。

続く