2025年1月場所個別評価 安青錦
今場所は西十両5枚目であり、十両2場所目となったが12勝3敗の好成績だった。前半戦は7勝1敗で折り返し、獅司、若碇とともに優勝争いをリードした。そして後半戦も白星を伸ばしたが12日目は獅司との1敗対決に敗れて2敗目となった。翌13日目も竜電に敗れて3敗となり、優勝争いから後退した。しかし残り2日は連勝し、来場所の新入幕を確実とした。
内容に関しては懐に入っての押し相撲と前廻しを取る相撲で白星を挙げていた。初日の志摩ノ海戦は当たって突き立てると相手の上体を起こし、そのまま押し出した。志摩ノ海は上体が起きることは滅多になく、非常に驚いた。14日目の白熊戦は相手のかち上げにも上体が起きず、突き立てて前に出た。そして白熊に押し返されたが再度突き立てた。その後機を見て左前廻しを取ると右はおっつけながら寄り詰め、最後は右も廻しを取って寄り倒した。体重差は40キロ近くあり、正々堂々の内容に館内からは大きな拍手が起こっていた。そして千秋楽の生田目戦は生田目の突き押しを下からあてがうと押し合いといなし合いの激しい攻防となった。最後は生田目がやや攻め疲れしたところを右のど輪で上体を起こし、そのまま押し出した。この一番も熱戦であり、見応え十分だった。
負けた相撲に関しては獅司戦と竜電戦はいずれも善戦及ばずといった内容だった。また友風戦は相手得意の叩きを食ったという相撲であり、負け方としては悪くない。そして先場所は5敗しているが、入幕した玉正鳳と金峰山を除く3人には勝っており、学習能力の高さを見せた。よって私としては満点をあげたい。体重136キロの軽量力士だが、夜食にうどんを食べ、体重キープに努めていたようである。終盤の相撲でその成果を発揮した。
さて3月場所は新入幕となり、東前頭15枚目となった。また外国出身力士としては史上最速となる所要9場所での入幕である。勿論負け越しはなく、まだ底を見せていない。増量が課題ではあるものの、豊昇龍も体を少しずつ大きくして横綱に昇り詰めており、問題ではない。下からの攻めが持ち味であり、幕内力士も手こずりそうである。まずは勝ち越し、できれば二桁勝利で三賞受賞といきたい。身体能力が高く、大関候補と言っても過言ではない。要注目の力士である。
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