2025年1月場所個別評価 竜電

 今場所は東十両3枚目だったが11勝4敗の好成績だった。前半戦は6勝2敗で折り返した。そして後半戦は連勝し、13日目終了時点では獅司と優勝争いのトップで並んだ。しかし終盤は連敗し、優勝はできなかった。

 内容に関しては四つ相撲と投げ技で白星を挙げていた。力の違いを見せる内容が多く、やはり十両で取る力士ではない。最大のハイライトは3日目の獅司戦である。当たってすぐに右前廻しを取ったものの獅司に右を差されると左もねじ込まれて廻しを取られた。外四つとなり、やや勝手が悪くなったが獅司の再三の攻めを上手を引き付けて何度もこらえた。その後寄って反撃すると頭を付け、徐々に有利な体勢を作った。最後は獅司がやや疲れたところを寄り切った。まさに我慢勝ちといった内容であり、しぶとく且つ根気強く相撲が取れるのが持ち味でもある。長い相撲であり、疲れたとは思うが自分の相撲が取れており、勝ったことで気分を良くしたものと思われる。その後は体の動きが良くなり、白星を積み重ねた。

 また場所後の2月9日の大相撲トーナメントでは優勝し、賞金50万円などを獲得した。十両優勝できなかった分を取り返した印象である。地力は上位であり、トーナメントの優勝は当然の結果と言える。

 3月場所は再入幕となり、東前頭14枚目となったが勝ち越しと同時に再度の幕内定着を期待したい。年齢は34歳とベテランの域に入っており、若手力士の挑戦をいかに凌いでいくかが鍵となりそうだ。ただ獅司戦のように四つに組み合った時は滅法強く、若手が簡単に勝てる相手ではない。よって若手力士の壁になるような役割も求めたい。