2025年1月場所個別評価 尊富士
今場所は西前頭11枚目だったが10勝5敗の好成績だった。3連勝スタートも4日目は玉鷲に敗れて初黒星となった。その後は白星を重ね、前半戦は7勝1敗で折り返した。そして後半戦は9日目は全勝の金峰山に敗れて2敗となった。11日目は大栄翔に押し出されて3敗目となり、首位の金峰山と2差となったことで優勝が厳しくなった。その後は連勝して優勝争いに踏み止まるも14日目は豊昇龍との3敗対決に敗れ、優勝争いから脱落した。
内容に関しては出足を生かした速攻相撲で白星を挙げていた。3日目の阿武剋戦は不利な体勢となったが左からの上手投げで同体取り直しに持ち込んだ。取り直しの一番は左を差してからすぐに抜いて突き放し、組ませない内容で押し出した。7日目の欧勝馬戦は左を差すも欧勝馬に小手に巻かれて振られた。しかし構わず寄り立てると最後は差し手を抜いて一気に押し出した。力の違いを見せつける内容だった。やはり平幕中位~下位で取る力士ではない。
それでも金峰山には勝てなかった。突き押しをかいくぐり、二本差したまでは良かったが、寄って前に出たところを逆転の小手投げで転がされた。攻め方は悪くなかったが、金峰山は懐が深いこともあり、上手く小手投げを決めたという印象である。これは勝った金峰山を褒めたい。
また11日目からの役力士との対戦は2勝2敗だった。2勝のうち琴櫻戦は逆転勝ちであり、阿炎戦は阿炎が蹴手繰りの奇襲で自滅したようにも見えた。一方負けた大栄翔戦と豊昇龍戦はいずれも完敗という内容だった。ということで私的には上位力士に通用したとは言えず、更なる地力強化を求めたい。
来場所は番付を上げ、前頭5枚目あたりとなりそうである。おそらくこの位置でも力が違うと見られ、今場所同様前半戦は白星を並べ、後半戦は上位力士との対戦が予想される。力があるのは分かっており、上位力士に勝てるかどうかが焦点となる。よって上位戦に意識を集中して欲しいところだ。勿論結果だけでなく内容も大事である。また1年前は新入幕優勝を果たしており、験のいい場所である。1年前のように相撲に勢いを付け、そのままの流れで2回目の優勝といきたい。
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