2025年1月場所を振り返って 優勝争い 千秋楽 金峰山ー王鵬戦

 千秋楽。金峰山は王鵬戦だった。過去の対戦成績は1勝1敗だが、先述の通り金峰山は相撲の取り口を変えているので参考外である。金峰山はこの一番に勝てば優勝であり、金峰山が優勝を決める可能性が高いと見ていた。相撲は当たってすぐに金峰山が左右からののど輪で押し込んだ。しかし王鵬が右からいなすと体を入れ替え、今度は王鵬が右のど輪で押し込んだ。そして土俵際で金峰山が左を差したが王鵬がそのまま体を預けて押し出した。これで金峰山と王鵬が3敗で並び、優勝決定戦となった。

 勝った王鵬はいなし方が絶妙だった。少しだけ後ろに下がって金峰山との間隔を空けると同時にバランスを崩した。その後は形勢が逆転し、金峰山に反撃の隙を与えなかった。また王鵬は結びの一番で滅法強く、ここ一番で勝負強さを発揮した。このあたりはやはり大鵬の孫である。大一番で簡単に負けるような力士ではない。

 負けた金峰山は内容は悪くなかった。結果的に王鵬の方が一枚上手だった。それにしても千秋楽で追い付かれるとは全く考えていなかった。勿論優勝争いで並ばれたのは痛すぎる。金峰山が優勝するためには逃げ切るしかないと思っていた。なぜなら豊昇龍は優勝経験者であり、王鵬も上位力士と対戦して経験を重ねているからである。決定戦が決まった時点で優勝する可能性は低いと見ていた。

続く