元大関の肩書を嫌う男! 正代 来歴 新入幕~2019年まで

 2016年1月場所で新入幕となった。熊本県からの新入幕は、2014年5月場所の佐田の海以来戦後20人目となった。そして初土俵から所要11場所の新入幕は、1958年以降初土俵(幕下付出は除く)では3位タイのスピード記録となった。この場所は10勝を挙げる活躍で敢闘賞を受賞した。初土俵から12場所での三賞受賞であり、1950年1月場所の同じく新入幕の前頭18枚目若ノ花(のち横綱)の初土俵から9場所の最短三賞受賞(敢闘賞)記録に次ぐ史上2位の記録であり、年6場所制が定着した1958年以降では最速の記録となっている。次の3月場所も勝ち越して、東前頭2枚目で迎えた5月場所は上位力士相手に初日から6連敗したこともあり、6勝9敗で自身初の負け越しを経験した。

 その後2016年11月場所は西前頭3枚目で11勝4敗の好成績を挙げ、2度目の敢闘賞を受賞した。2017年1月場所は初めての三役を新関脇で迎えた。この昇進は初土俵から所要17場所での昇進となり、史上2位タイのスピード出世となった。この場所は7勝8敗で負け越し、次の3月場所は小結の地位で4勝11敗と大敗に終わった。そして翌5月場所は平幕に逆戻りとなった。同年7月場所は東前頭筆頭で5勝10敗に終わったものの、2日目は日馬富士を破り初金星を獲得した。

 この後の2年間は平幕上位に番付を上げるも勝ち越せず、壁にぶつかった印象である。それでも上位力士との対戦がない平幕中位の番付では勝ち越しており、地力の高さを見せていた。ということで力を付けていく中で上位力士に勝てるかが今後の焦点となった。

 2019年11月場所は西前頭10枚目で11勝4敗という成績で3度目の敢闘賞を受賞した。ただ三役陥落後では一番低い番付であり、三賞受賞という結果は素晴らしいものの、二桁は勝って当然というのが私の見方である。

続く