2024年11月場所個別評価 尊富士

 今場所は西前頭16枚目であり、再入幕の場所だったが10勝5敗という成績だった。白星スタートも2日目は時疾風に敗れて初黒星となった。そして5日目は湘南乃海に叩き込まれて2敗目となり、新入幕優勝を果たした今年3月場所のような連戦連勝という訳にはいかなかった。6日目からは白星を並べ、10日目に勝ち越しを決めた。2敗であり、優勝の可能性があるということで11日目からは上位の力士との対戦が続いたが3連敗し、優勝争いから脱落した。終盤は連勝し、二桁勝利で場所を終えた。

 内容に関しては出足を生かした速攻相撲で白星を挙げていた。しかし叩き込みで2番勝っているように、相手に懐に入られる内容も見られた。そして注目していたのは対戦相手の出方である。実質入幕2場所目だが優勝経験者という実績があり、対策を練られた印象がある。竜電戦と阿炎戦は立ち合いで変化された。また豪ノ山戦は立ち合い負けしたことが敗因であり、大の里戦は大の里に出足を止められたということで、これが現時点での実力だと私は見ている。実績はあるが、上を目指すにあたっては更なる出足の強化と立ち合いの圧力の強化が求められる。

 来場所は前頭10枚目前後となりそうだが、再度の二桁勝利を期待したい。おそらく次の場所も前半は白星を並べ、後半は番付上位の力士と対戦することが予想される。そして上位力士との対戦でどれだけ勝てるかがポイントとなりそうだ。