元横綱・曙の死去に関して ハワイ出身力士の紹介 高見山

・高見山

 ハワイ準州マウイ島出身であり、高砂部屋所属だった。また身長192センチ、体重205キロであり、突き・左四つ・寄りを得意としていた。最高位は関脇であり、1960年代後半~1980年代前半にかけて活躍した。

 功績は非常に大きかった。まずは中国・韓国(朝鮮)など、東アジア系の出身を除けば、外国出身者として当時最も活躍した力士であり、後の各国力士、特にハワイ勢の活躍の道を開いた。パイオニアと言える存在であり、高見山の功績がなければ後の小錦、曙、武蔵丸が活躍できたかは分からないと断言できる。

 次に16年間、97場所にもわたる幕内在位は当時の大相撲最長記録だった。また12個の金星を獲得し、一時は現役力士の最多記録だった。その巨体とパワーは、ツボにはまれば輪島や貴ノ花を圧倒するほどのものだった。金星12個のうち7個は輪島から獲得している。

 そしてアメリカ人らしい陽気さと巨体を持つのと同時に、独特の長いもみあげなど特徴ある容貌も人気でテレビCMにも出演するなど、土俵の外でも活躍した。当時は貴ノ花と並んで人気者だった記憶がある。そして陽気な一方で異郷での辛い修行に耐え忍ぶ古来の日本人のような生き方も広く知られていた。よって相撲ファン以外にも絶大な人気があった。現在はそのような力士は見当たらず、ハワイ勢の中でも人気に関しては高見山を超える力士はいなかったと言える。

 あとは小錦を自らスカウトし、弟弟子として稽古を付けた。また東関部屋を興し、曙を横綱まで育てるなど大相撲の国際化にも大きく貢献した。加えて高見盛も育てており、師弟二代で角界の人気者となった。

 ただ曙が闘病生活を送っているのは分かっていたと思うが、元師匠が弟子を先に見送るというのは辛かったと思う。また厳密に言えば師匠と弟子の関係ではないが、北の富士さんより先に千代の富士が亡くなっており、人の死は本当に分からないものである。現在79歳でもうすぐ80歳だが、もっと長生きしてほしいと思う次第である。

続く