2026年5月場所個別評価 一意
今場所は東十両6枚目だったが12勝3敗の好成績で初の十両優勝を果たした。前半戦を6勝2敗で折り返すと後半戦も白星を伸ばし、13日目は優勝争いで単独トップの風賢央との直接対決に勝ち、トップに並んだ。そして14日目に単独首位に立つと千秋楽は西ノ龍を寄り切り、十両優勝を決めた。
内容に関しては左四つの相撲と押し相撲には安定感があった。また十両3場所目だが8勝→10勝→12勝と白星が増えており、末恐ろしさを感じる。9日目の佐田の海戦は相手の右前廻し狙いを封じると佐田の海の右巻き替えと同時に左からの強烈なおっつけで後退させ、力強く押し出した。10日目の尊富士戦は尊富士に左を差されて寄り立てられたものの、土俵際で右から突き落とし、尊富士を転がした。取組後は「いい相撲ではないけど、勝手に体が動いた」と語った。土俵際の突き落としとはいえ、ゆとりがあるように見えた。
そして終盤の相撲である。13日目の風賢央戦は右張り手から左を差して風賢央の動きを止めると右から絞り上げ、一気に寄り切った。14日目の朝翠龍戦は朝翠龍が左を差したところで右から抱えて動きを止めると左をのぞかせて東土俵に寄り切った。そして千秋楽の西ノ龍戦は左四つに組んで勝機をうかがうと左下手を取り、巨体を預けるようにして寄り切った。いずれの相撲も一呼吸置いており、機を見て前に出る勝負勘が光った。また全体を通して見ても力の違いを見せたと言っても過言ではない。
7月場所は晴れて新入幕となり、西前頭15枚目となった。二桁勝っての敢闘賞受賞を期待したい。相撲の完成度が高く、まだまだこれからというタイプの力士ではない。私的には今頑張って欲しい力士である。また今年に入ってからの新入幕力士に関しては朝白龍、藤青雲、藤凌駕が幕内に定着しており、今場所新入幕の若ノ勝も勝ち越した。一方史上単独3位の幕内100場所目の玉鷲が大敗して7月場所は十両に陥落した。よって世代交代の波を感じる。実力的には幕内に定着しても何らおかしくない。ということで平幕下位力士の生存競争が更に激しくなりそうだ。
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