義ノ富士に追いつけ! 藤青雲 私が観た印象

 最初に目に入ったのは幕下時代である。前相撲からのスタートとなったが各段を一場所ずつで通過し、所要4場所で幕下に昇進した。そして新幕下の場所は西幕下17枚目だったが、負け越しはしたものの3勝4敗と負け越しの幅を一点に止めた。また右四つの相撲には安定感があり、すぐに十両に上がれると見ていた。しかし幕下上位の番付に上がると十両昇進まで1年以上を要した。原因は前に出る圧力が弱かったためである。十両を目前にして足踏みする日々が続いた。そして2023年5月場所に十両に昇進したが、師匠の藤島親方(元大関・武双山)の言葉は厳しかった。「まだ迫力がない。それがないと上にはいけない。泥だらけの稽古しかない」と語った。新十両の会見はお祝いムードになることがほとんどだが、師匠に欠点を指摘され、異例ともいえる会見となった。もっともこれは期待の裏返しである。

 そして師匠の予想は的中することになる。同年5月場所後の稽古で左膝前十字靭帯断裂の大怪我を負い、手術を受けて3場所連続休場した。三段目まで番付を下げたが2024年5月場所で幕下優勝を果たし、翌7月場所で十両に復帰した。

 その後は十両に定着したものの、連敗癖があったので勝ち越すことはできても二桁勝利まではいかないといった場所が続いた。また師匠が指摘する迫力のなさも大勝ちできなかった要因である。しかし稽古と本場所の土俵で少しずつ力を付け、新入幕となった。自身の努力に加えて藤凌駕をはじめとした部屋の若手力士が成長しており、しのぎを削って強くなってきた印象もある。やはり左膝の大怪我がターニングポイントになったような気がする。

続く