2026年3月場所個別評価 大の里
今場所は4敗11休という成績に終わった。初日は若隆景に押し出され、横綱昇進後5場所目にして初の黒星発進となった。その後2日目は熱海富士に敗れると3日目は初顔の藤ノ川に引き落とされ、師匠の稀勢の里以来となる横綱として初日から3連敗を喫した。そしてこの日の夜に師匠と話し合い、翌4日目の朝に休場届を提出した。休場理由は左肩鎖関節脱臼であり、休場は去年の11月場所以来2回目となった。
場所前は先場所前に比べたら稽古ができており、復活に向けて順調のように見えた。しかしフタを開けてみれば思わぬ結果が待ち受けていた。
初日の若隆景戦はモロ手から右をのぞかせたものの左からおっつけられるとまともに引いたところを押し出された。2日目の熱海富士戦は右を差して下手を取ったものの左からおっつけ切れなかった。その後熱海富士に左上手を取られると同時に右下手を切られ、たまらず引いたところを寄り切られた。そして3日目の藤ノ川戦はカチ上げから右差しを狙ったものの藤ノ川に左からおっつけられると左へ飛ぶような引き落としに対応できず、バッタリと土俵を這った。
見た感じも動きがバラバラであり、本来の相撲には程遠かった。特に気になったのが立ち合いの踏み込みの甘さである。確かに初日の若隆景のおっつけは素晴らしかったが、本来なら馬力で一気に押し込んで跳ねのけるとろである。熱海富士戦も同様であり、立ち合いの圧力が弱いので反撃されてしまう。おそらく左肩が気になっているのが原因で全体としてのバランスが崩れているものと思われる。
そして大変なのが、少なくとも角界入り後は壁にぶつかることなく横綱に昇進しているという部分である。当たり前だが横綱という地位は降格がなく、役割を果たせなければ引退するしかなくなる。初めての試練を横綱になってから味わうのはそれだけで厳しい状況である。ここで一回り大きくなって成長するのか、それとも引退に追い込まれるのか、ここから力士としての真価が問われることになる。そうはいってもまだ25歳と若く、横綱とはいえ、周囲が温かい目で見守る必要性も感じる。
場所後の巡業は参加していたが、左肩の回復に専念するため、4月15日の巡業から離脱することになった。勿論左肩が回復するのが一番だが、脱臼なので癖になりやすい箇所でもある。このあたりをどう克服していくのか?。また左右のバランスの問題もあるので、その部分をどう修正していくのか?。私的には師匠というよりも自身が克服すべき課題だと思っている。来場所に限らず今後試練をどう乗り越えていくか。その成り行きを見守りたい。
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