2026年1月場所個別評価 若ノ勝
今場所は東十両12枚目だったが12勝3敗の好成績で初の十両優勝を果たした。3連勝スタートを切り、前半戦は6勝2敗で折り返した。そして後半戦は9日目は日翔志に敗れたものの、その後は白星を並べた。13日目は藤青雲との3敗対決を制して単独トップに立つと千秋楽は藤凌駕を送り出して優勝を決めた。
内容に関しては突き押しで圧倒しただけでなく、引く場面が一度も見られなかった。終盤は十両上位力士との対戦が続いたが、相手が強くなっても反撃の隙を与えず、根こそぎ土俵の外に運んでいた。優勝を決めた藤凌駕戦は最後は体当たりで吹っ飛ばしており、何としても勝ちたいという強い執念が土俵に表れていた。
8勝7敗だった先場所の千秋楽パーティーで元大関貴景勝の湊川親方と二人きりになった。そして親方に「このままでは駄目だ。十両のままでいいならそれでいい。でもそうじゃないだろう」と諭された。そして「1分かかってもいいから、突き、押しだけやってみろ」と言われた。親方は「あの場所の相撲内容がゼロだった。左四つでも取れるが、突っ張りを徹底した方がいいと思った」とその真意を語る。そして稽古場では引く素振りすら許さないそうである。先場所は若ノ勝にとっては再十両の場所だった。去年新十両となったものの右足甲を痛めて幕下に番付を下げており、幕下に落ちたくないという本人の気持ちは本当によく分かる。その気持ちを理解した上でのゲキだったと私は思っている。そして今場所は親方の忠告に応えて自分の相撲を取り切った。それでも元々幕内で相撲を取れるだけの能力は持っており、優勝したことへの驚きはない。
来場所は西十両3枚目となり、新入幕を懸けての場所となるが、個人的には新入幕を強く意識して欲しくない。それよりも稽古場で自分の相撲に磨きをかけたい。そして自分の相撲に徹すれば結果は後からついてくる。部屋には隆の勝がおり、稽古環境にも恵まれている。今場所をきっかけにして今年は一気に飛躍といきたいところだ。
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