四股名はどうなる? 草野 私が観た印象
日大4年次に学生横綱となり、幕下付け出しデビューとなった。そしてデビューの場所は6勝1敗ということで好スタートを切った。しかしその後は5勝、5勝、4勝、4勝であり、勝ち越しは続けたものの苦労した印象がある。能力を考えれば幕下で5場所かかっての関取にはやや物足りなさが残った。
理由は二つ挙げられる。一つは体が出来上がっていなかったことである。今振り返ってみてもデビュー時は体が少しぽっちゃりしているように見えた。そして伊勢ヶ浜部屋での厳しい稽古もあり、一時は体重が減った。しかしプラスに考えれば余計な脂肪が削ぎ落とされ、その後で筋肉が付いてきた。学生横綱とはいえ、完成品ではなかったということである。そしてもう一つは相撲に関してである。速攻相撲が持ち味だが、幕下時代は時に受け身に回る相撲も見られた。おそらく学生時代は対戦相手の体が小さいので胸を出す相撲も取っていたのだろう。しかし大相撲では対戦相手の体が大きくなり、胸を出すような相撲を取れば一気に攻め込まれてしまう。幕下時代は相手の攻めをまともに受け、土俵の外に運ばれる内容もあった。しかし新十両を境に厳しい相撲が取れるようになった。速攻相撲と連続攻撃に磨きがかかる一方、相手の攻めを受ける内容が見られなくなった。本人が言うように15日間相撲を取る方が合っていたのかもしれない。あとは稽古で鍛えつつ、本場所の土俵で経験を重ねていくだけである。
続く
最近のコメント