負けん気の塊! 若碇改め藤ノ川 来歴 初土俵まで

 高校入学とほぼ同時に新型コロナが世界的に蔓延し、寮から外出できなかった時期もあった。しかし「逆に集中できた」と稽古とトレーニング三昧の日々が続いた。更に1日5回の食事で入学時70キロそこそこだった体重は、高校3年間で40キロも増えた。

 チームメイトの同級生には豪ノ湖や小林など、プロでも同期となる猛者たちがひしめき「同じトレーニングをしていたら、強くなれない。それ以上やらないと」と持ち前の負けん気の強さで実力は磨かれた。高3で関東大会無差別級優勝、宇佐大会8強、国体16強など、着々と実績を積み上げた。そして高3の後半になるとそれまで考えもしなかったプロ入りが頭をもたげるようになった。

 複数の大学からも誘われ、進路が揺らぐこともあった。しかし父の甲山親方から早く入門した方が良いと助言されたことを受けて、高校在学中の2023年1月場所、伊勢ノ海部屋から初土俵を踏んだ。また力士になることは、10歳の時に他界した母・直美さんの願いでもあった。そして前相撲では本名だった四股名を新序出世披露から父の四股名から一字もらった「若碇」に改名した。

続く