2025年5月場所個別評価 宮乃風

 今場所は東十両13枚目であり、新十両の場所だったが6勝9敗で負け越した。3連敗スタートとなったが4日目は大奄美を引き落としで破り、関取初白星を挙げた。その後は白星が増え、9日目終了時点では5勝4敗と白星が先行した。しかしその後は負けが混み、勝ち越しとはいかなかった。

 さて宮乃風を紹介したい。宮乃風は沖縄県名護市出身で中村部屋所属であり、年齢は26歳である。また身長172センチ、体重121キロであり、右四つ、下手ひねり、出し投げ、押しを得意としている。

 内容に関しては懐に入っての押し相撲と回り込む相撲で白星を挙げていた。また負け越しはしたものの、それなりに自分の相撲は取れており、全く歯が立たなかった訳ではない。懐に入っての相撲は十両の土俵でも通用するところを見せた。

 やはり課題は押し込まれた時の対応である。体が小さいので押し込まれることを想定して相撲を取る必要があるが、場所後は「押されて叩いてから、慌ててしまう相撲があった」と反省していた。そしてその反省を踏まえ、申し合いでは仕切り線から下がり、徳俵付近から仕切って相撲を取った。師匠によると、押し込まれても慌てずに攻め返していくことが狙いのようである。また対応さえできるようになれば勝ち越しは可能だと私は見ている。

 来場所は運良く十両残留となりそうだ。十両の雰囲気も大体分かったと思うので改めて勝ち越しを狙いたい。また終盤の連敗はスタミナ切れと言うよりも地力不足という印象がある。よって部屋での稽古でレベルアップを図ると同時に地力を付けたい。