2025年5月場所を振り返って 十両の優勝争い 千秋楽 大奄美ー若碇戦 剣翔ー草野戦

 千秋楽は先に若碇が土俵に上がった。若碇が負ければ草野の優勝が決まるということで注目の一番となった。大奄美戦だったが相撲は若碇がぶちかましたが大奄美が左を差すと体を預けるようにして一気に前に出た。一方若碇は土俵際で左を差すと掬い投げで大奄美を這わせた。際どい一番だったが若碇は左足を俵に残しながらも右足を宙に浮かせており、物言いは付かなかった。これで若碇は3敗を守り、この後の相撲で草野が勝てば草野の優勝、負ければ両者による優勝決定戦となった。

 草野は剣翔戦だった。ただ剣翔は左膝を痛めており、組み止めれば力を発揮できるものの本来の動きには程遠い状態である。相撲は草野が当たって左からおっつけながら上手を取ると横に付き、前に出ると剣翔は力なく土俵を割った。また草野も剣翔の状態を分かっており、労るようにして寄り切った。優勝が懸かる一番であり、攻防のある相撲が観たかったが他にこれといった対戦相手がおらず、仕方がないところである。草野の2場所連続優勝は見事だが、ここでは力が違い、通過点といった感じである。また十両上位の番付での13勝ということで既に平幕上位で相撲を取れる力量は持っていそうである。それに加えて若碇と琴栄峰も来場所の新入幕が有力であり、幕内の土俵に新風を吹き込むことになりそうだ。

終わり