これぞ理想の横綱! 照ノ富士 間垣部屋時代の兄弟子の駿馬に関して

 師匠が不在の中で兄弟子の駿馬と呼出しの照矢は苦労を共にしてきた二人である。照ノ富士によると相撲に関しては駿馬と照矢に話し、怒りを吐き出していたようだ。それだけ信頼関係がある証拠である。

 元駿馬こと中板秀二さんは最高位は東幕下22枚目だった。身長165センチ、体重103キロと小柄であり、10年近く三段目に在位した。そして驚いたのが2016年3月場所、史上最高齢となる35歳2か月で幕下昇進を果たしたことである。この場所は東幕下51枚目で迎えたが6勝1敗の好成績を残した。そして30歳以上で幕下に昇進した力士として史上初となる勝ち越しを果たした。当時はBS大相撲中継で話題になった記憶がある。

 また伊勢ヶ浜部屋に移籍後は照ノ富士の付け人を務めた。支度部屋では練習相手となり、横綱が失敗しそうになった時は心配性の自分が先回りして未然に止めるなど、持ちつ持たれつの関係だったみたいだ。

 そして年齢は10歳離れており、「自分はいつまでもいるわけじゃないよ」という話はしていた。その後駿馬は2019年1月場所に引退を決意し、部屋を出た。正式な引退は5月場所だったが、照ノ富士はその間の3月場所で復帰した。つまり、駿馬がいなくなったと同時に土俵に復帰した感じのようである。

 当時は照ノ富士は怪我と糖尿病で苦労していた。そして自分がいることで照ノ富士が甘えるなら、自分がいなくても頑張らなきゃいけないということに、速く気付かないといけないかなと思ったらしい。そのためには、自分が引退した方がいいのかなと思い、引退を決めたようだ。話の限りでは照ノ富士が復活できた要因の一つと言えそうだ。

続く