これぞ理想の横綱! 照ノ富士 来歴 両膝の手術による長期休場と復活優勝
雲行きが怪しくなってきたのが次の9月場所である。9日目までで5勝4敗と振るわず、10日目から休場した。古傷の両膝の調子が思わしくなく、特に右膝は骨が完全にずれるほどのダメージを負い、「人工関節が必要」と言われるほどだった。その後両膝の手術を受け、翌11月場所から3場所連続で休場した。また両膝に加えて糖尿病も抱えていた。2023年4月17日、靖国神社の奉納大相撲に参加した時に、「(両膝の)手術をして足の負担を減らそうと思って20キロ減らした後、また20キロ戻したら悪化した」と説明している。コメントを見ても両膝以上に糖尿病のことを多く語っており、その苦労がうかがえた。
復帰場所となった2023年5月場所は中日に勝ち越し、優勝争いで単独トップに立った。翌9日目は明生に金星を許したものの10日目以降は再び白星を重ねた。そして14日目は星一つ差で追っていた霧馬山を破り、千秋楽を待たずして8度目の優勝を決めた。千秋楽は貴景勝を下して14勝1敗とし、有終の美を飾った。見事な復活優勝だったが、横綱の責任感と、目標とする優勝10回への思いが原動力だったようである。
続く
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