これぞ理想の横綱! 照ノ富士 来歴 土俵復帰~幕尻優勝まで

 2019年3月場所は5場所ぶりの土俵であり、序二段まで番付を下げていた。やはりここでは力が違い、決定戦は敗れたものの7戦全勝で場所を終えた。その後は3場所連続で6勝をマークすると2019年11月場所は西幕下10枚目で7戦全勝優勝を果たし、翌場所の関取復帰を決めた。大関経験者、幕内経験者、幕内最高優勝経験者が序二段陥落後関取に復帰したケースはいずれも史上初となった。

 ここまできたらやはり実力が違う。また生活改善とトレーニングの成果もあり、体の張りも動きも良くなった。十両に復帰した2020年1月場所は13勝2敗で十両優勝を果たすと次の3月場所は10勝と二桁勝利を挙げ、次の場所での幕内復帰が決まった。

 翌2020年7月場所は東前頭17枚目だったが9日目に勝ち越すとその後も白星を伸ばし、13日目は新大関の朝乃山との1敗対決を制して単独トップに立った。しかし14日目は正代に敗れて2敗目となった。その後の取組で同じ部屋の照強が朝乃山を足取りで破り、援護射撃を見せた。そして単独トップのまま迎えた千秋楽は御嶽海に勝ち、5年ぶり2回目の幕内優勝を果たした。元大関の平幕優勝は魁傑以来44年ぶり史上二人目、再入幕場所での優勝は同年1月場所の徳勝龍以来史上二人目、幕尻優勝も同年1月場所の徳勝龍以来史上三人目、30場所ぶりの優勝は琴錦に次ぐ歴代二位のブランク優勝、過去に幕内最高優勝した力士が十両以下に陥落後再び優勝したのは史上初の快挙となった。

続く